LGBT女性向けiOSアプリ「LBTチャット」を使ってみた

LGBT Review

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以前「LGBT女性のためのiOSアプリ「LING」を使ってみたまとめ」という記事を書きましたが、類似するセクシャルマイノリティの女性を対象としたアプリ「LBT チャット」も使ってみました。

レズビアン&セクマイ限定 - LBTチャット
レズビアン&セクマイ限定 – LBTチャット
開発元:aya sato
無料
posted with アプリーチ

LING よりもさらーっとした利用でライトユーザーもいいとこなのですが、その上での感想をまとめておきます。

「LBT チャット」とは

その名のとおり 18歳以上の “LBT” 女性のためのチャットアプリです。

L(レズビアン)性自認が “女性” の人を恋愛対象とする、同じく性自認が “女性” の人のこと。
B(バイセクシュアル性自認が “女性” の人も “男性” の人も恋愛対象とする人のこと。
T(トランスジェンダー)産まれたときの性別と自認している性別が異なる人のこと。

「ビアン専用チャット」とアイコンに書いてありますが、トランス…? と思われた方が私以外にもいるかもしれません。

トランスという呼び名は、性転換手術やホルモン注射などを受けられる性同一性障害も内包します。そういった治療は置いておいても、身体が女性のトランスって要は自分は男性である、もしくは男性として生きたいと考えているということなので、私的には「女性」でも「ビアン」でもないんですけどね。

とりあえず産まれたときの性別が女であれば使えるという認識でいいのでしょうか。この辺り、後述しますがちょっと謎です。

他の LGBT アプリとの違い

最たる違いは完全無料で利用できること。有料会員や課金といった概念そのものがありません。その代わりといってはなんですが、アプリ内の広告は比較的多いです。

「LING」が Twitter のような SNS アプリなら、こちらは LINE のようなチャットアプリという印象。機能もシンプルで、登録ユーザ検索、全体にやりとりが公開される「チャット」、非公開の「トーク」のみです。

「LBT チャット」の使い方

アカウントについて

このアプリの売りはおそらく「手軽さ」。名前や年齢、居住地域などを入力するだけで利用することができます。

5秒で登録して2秒でチャットしよう!

App Store の説明文にある文言ですが、なかなかパンチが効いてますね。現状アカウント移行に関する機能は見当たらないので、アプリをアンインストールすると同じアカウントは使えなくなる模様。機種変更の際は iTunes で完全バックアップしたのち復元すればおそらく大丈夫です。

みんなのやりとりが読める「ホーム」

LINE でいう「タイムライン」のようなもの。

LBTチャットのホームタブ
人のやりとりも読める

ここに一覧で表示されるのは、登録ユーザが投稿した「ボイス」と、そのボイスに対する「返信」のやりとりです。非常に分かりにくいのですが、この「返信する」ボタンから行ったやりとりは公開型。

ユーザを検索する「探す」

登録ユーザを検索する機能。年齢と GPS を利用した距離から絞り込めます。

LBTチャットの「さがす」タブ
LBT チャットの「さがす」タブ

このアプリはプロフィールの居住地の設定方法がプルダウンによる都道府県の選択ではなく、自分で文字を入力する形。つまり「大阪」もあれば「Osaka」もあるし「関西」もあるし「近畿」もあるし「たこやき」もある… GPS を利用するしか近くの人を探す方法がありません。ちょっと不便ですね。

「探す」タブのデフォルトページはもちろんユーザの一覧なのですが、アプリを開いた最新順か何かになっているようです。

FAQ に「足あと」に関する記述があるので誰かのプロフィールを見ると足あとがつくのかな~と想像できますが、問題の足あとページがどこにあるのか不明です。くまなく見たつもりなんですが。

誰かのプロフィールを見ていていいなと思ったら「ライク」できます。ライクした相手に「○○さんがライクしました」という通知が届く以外の効果は不明。

  • ステキ! あなたのこと気になります!
  • とりあえず誰かと関わっておきたい
  • ログインしてるので話しかけてください

ライクの意図ってこんな感じかなーと思います。おそらく半分以上が最後のいわゆる “誘い受け” にあたるのでは…。

内緒の「トーク」

LINE の個別トークルームのような機能。ここでのやりとりは他のユーザからは見えません。

「ホーム」に流れているボイスの「チャットする」というボタンから送信した内容はこの「トーク」に送られる模様。チャットなのかトークなのかボイスなのか…ちょっと表記ゆれが目立ちます。

LINE やカカオトークの ID を交換・教えることはアプリの規約違反となり、かなり厳しく取り締まられているようです。「即アカウント停止」という注意文がどーんと表示されています。

私が「LBT チャット」を使わない理由

ネガティブなことを羅列していきますが、App Store のレビュー自体は高評価です。あくまで私個人の意見ですのでご了承ください。

なんかキナ臭い

前述のとおりレズビアン専用と謳っているのにトランスが含まれていたり、なんとなーく「ほんとに LGBT のこと分かってる?」みたいなところがちょっと気になります。このあたり LGBT 当事者が主宰の「LING」はビアンとバイ、興味のあるストレートのみで納得できます。

アプリの作者は「aya sato」という方らしいのですが、App Store の著作権表示が「© com.hiroshichiba」になっているのも…ヒロシ・チバって誰だ? となるわけです。ちなみにこのドメインのサイトは存在せず、検索では同名の男性弁護士さんがヒットしました。プライバシーポリシー等では「LBT チャット運営事務局」との記載があり、法人という記述もありますね。

それぞれ利用そのものには無関係ですが、あんまり怪しいものを使うのもなぁ…と思ってしまいました。

ぶっちゃけ通知がうざい

チャットアプリなので通知はオンにしていないと意味がないわけですが、アプリをしばらく開かないでいるとあらゆる利用を促す通知が鳴ります。

LBT チャットの通知
LBT チャットの通知

こういったチャットが誰かから送信されたわけではありません。あくまでアプリによる自動的な通知です。

ニュアンスですが分かるでしょうか…これらはまだマシな方。さながら出会い系アプリです。いや、確かに出会い系アプリではあるんですけど…。ネカマかサクラかと見紛うような口調なので、元カノと飲んでいるときにこの通知を見られ、とうとう出会い系でノンケ食いを始めたと思ったのか「!?」という顔をされました…。

頻繁にアプリを開いていれば、この通知は鳴らないのかもしれません。

積極的な人には向いているかも?

気が向いたときにいろいろ LGBT 系のアプリをインストールしたりしてますが、レビュー目的で私自身はそこまで出会いを熱望していません。気が合う人に知り合えればそりゃ嬉しいのですが、レズビアンの出会い方に関するエントリに書いたとおり、ネットを介した出会いを正直信用していないのが大きいです。

そんな理由で私が話しかけた人はゼロなわけですが、同じ理由かそうでないのか、話しかけてくれる人はひっじょーに少ない印象です。もちろん人様のやりとりは見かけるのでゼロではないですし、話しかけようと思わせる魅力が私にないだけかもしれませんが。

つまり、内向的で “話しかけられ待ち” をする人はインストールしても使わない可能性が濃厚です。

いいね!のようなワンタップでできるのがライクのみなので、通知を伴う手軽なアクションは1ユーザに対し1度きりということ。相手に自分を売り込んだり仲よくなるには、必ず話しかけるアクションが必要になってきます。チャットアプリなので当然といえば当然ですが。

気になった人がいれば積極的に話しかけることができ、このアプリに対する不信感などを持たず利用に踏み切れる人なら向いていると言えるかもしれません。

私はあまり肌に合わないので、おすすめできるアプリとしては「LING」のほうに軍配が上がるかなという印象でした。