世にいう「レズビアンの特徴」は正しいのか

LGBT

2017/9/2

当ブログで最も検索されているキーワードは「レズかも」です。

“自分が”レズかも?なのか、“あの子が”レズかも?なのかでニュアンスが真逆になりますが、やっぱり悩んでいる人は多いんだなーと眺めていたところ、レズビアンの心理的特徴はコレだ!と挙げているサイトが複数ありました。

中には心理学に精通しているらしい執筆者もいるようですが、LGBT 当事者の私が見て「……(´<_,`)フッ」となったので、それぞれの項目について見ていきたいと思います。

LGBTの特徴に挙げられているポイント

レズビアンは男嫌い?

私の持論ですが、率直に言って「NO」です。興味がない、婚活をしないのは「YES」。

男嫌いになる原因または理由としては、父親からの暴力や交際相手である男性からの裏切りなどが挙げられていました。

確かに私はそれなりにヘビーな家庭環境で育ち、一時保護を受けたことがあります。しかし男嫌いではありません。男性との交際経験がないので後者はなんとも言えませんが、現状は最短で2年、最長で7年付き合ってきた元彼女たちとはそれぞれ相手の浮気という裏切りで別れています。しかし男好き…というかバイやノンケではありません。

そもそも今日び、男性によるDVや不倫で離婚しているケースはどれくらいかご存知ですか?

上記リンクは株式会社リクルートマーケティングパートナーズが2016年に行った離婚に関する調査結果です。

4ページめの男女別離婚理由の項を見てみると、男性側のDV(肉体的暴力、モラルハラスメントを含む精神的暴力)による離婚は約50ポイント。男性側の不倫による離婚は約24.8ポイント。レズビアン=男嫌いという仮説が成り立つのであれば、これらに当てはまる女性たちは男嫌いになっており、すなわちレズビアンになっているはず。まぁ普通に考えてありえないですね。

もちろん男性が嫌いだったり、苦手な女性はいます。そういった人々が皆レズビアンだと考えている人はまさかいないでしょう。母親から暴力を受けたり、彼女に裏切られた男性がゲイになるのかと考えても同様です。

レズビアンの私にとって男性は性的嗜好に当てはまらないだけで、好き嫌いの基準はその人となりによります。また、女性だって誰でも好きで誰でも抱くぜ!というわけではありません。当たり前の話ですよね。

性的な意味では男性に一切興味がないので、そもそも嫌いになる必要からしてゼロです。

レズビアンはボーイッシュ?

私の服装は個人的には単なるカジュアルですが、細身なせいか「ホストやん(笑)」と言われることもあるもの。短髪で爪が短くすっぴんでシャツにパンツにスニーカーばかりのタチ、いわゆる非常に分かりやすいボーイッシュ寄りのレズビアンの様相です。

しかしながら、レズビアンの特徴としてボーイッシュが挙げられるかといえば「NO」です。

私がこういった服装をする理由は、キャッチやナンパに遭わないこと、自分が着るものとして単純に「(形が/色が)かわいいな〜」と思うのがコレだったから。シンプルなものが好きで、ヒラヒラもフリフリもピタピタも好きでないだけです。強いてそれっぽいことを言うとすれば、男性ウケを考える必要がないからこうなった、でしょうか。

ただし、元のブログに書かれていたような「僕」「オレ」「ウチ」といった一人称は使いません。ごく普通に「私」と言います。

また、周囲にもスカートを持っていない、パンツスタイルばかりという友人もいます。彼女も分けるとすればボーイッシュにあたるのでしょうが、ノンケです。

女性=スカートなど女性らしい格好というのは、スーツですらパンツスタイルも定着している現代においてあまりにも短絡的です。絶対数は少ないとはいえ、男性だってスカートを穿く時代です。身なりで判断できる物事なんて小学生なのか中高生なのか社会人なのかくらいじゃないの、と個人的には思います。

レズビアンは距離感が近い?

こちらも「NO」です。曰く、手をつないだり抱きついたり胸などを触ったりとのこと…私はむしろ断然ノンケの方がよっぽど仕掛けてくると感じるのですが。

啓蒙活動が功を奏したのか、テレビではゲイやオネエであることをオープンにしたタレントを目にする機会も多く、また同性パートナーシップ条例の発表など LGBT の生き方に少しずつ目が向けられてきています。しかし、LGBT をカムアウトして活動している女性芸能人って男性に比べてあまりにも少ないと思いませんか?

男女の交際における暫定的なゴールは結婚であり、一般的にその末には子どもをつくり育て上げる道程があります。同性同士の交際に少なくとも国内での結婚はなく、もちろん出産もありません。そのためか、同性愛というワードは友人関係との明確な差異である肉体関係に着目されがちです。ともすればタレントイメージに卑猥なものが付きまとう恐れがあるということ。そのためにレズビアンを謳うタレントがいないのではないかと推測します。

加えて、LGBT の別名は「セクシャル・マイノリティ」。その名のとおり少数派です。いくらテレビで LGBT を見かけるといっても、隣にいる友人が、会社の上司や同僚が、LGBT に理解を示す可能性など計れるものではありません。よって、LGBT は自身が LGBT であることを隠して生活するケースが多いわけです。

身近な人にこそバラしづらい事柄にも関わらず、あたかもアピールするかのように果敢に距離を詰めるレズビアンというのは考えにくいです。必要以上に避ける、というのならまだ理解できるのですが。

レズビアンは芸術系?

こちらも「NO」です。LGBT は感受性が強いため、芸術性に優れているというのが理由として挙げられていました。はっきり言って無関係だと思います。

確かに私は常々豪語しています、相手が達するのを見るだけで脳でイけると。だから私自身がなにかをされる必要なんて全くないと。映画『パコと魔法の絵本』の予告編をたまたま観ただけで号泣した経験も鑑みて、感受性は強いほうだと思います。デザイン業なのでどちらかというと芸術家肌とも言えるかもしれません。

が、驚くほど絵がヘタクソだったり、学生時代の美術の成績がハチャメチャに悪いレズビアンも知っています。

レオナルド・ダ・ヴィンチやチャイコフスキーが LGBT だったとしても、Apple のティム・クック CEO がゲイをカムアウトしたとしても、会計士の LGBT もいれば料理人の LGBT だっているわけですよね。種の保存の法則からいえば、一定数“マイノリティ”は存在します。LGBT もそうですし、両性具有もそうです。人間も動物も。少数派、異質であるために目立つものを特徴として取り沙汰するのはナンセンスだと感じます。

レズビアンは女子に興味ある発言をする?

こちらもやはり「NO」です。

根拠としては前々項と同様、周囲に性的嗜好を勘付かれないように細心の注意を払う LGBT にはほぼありえない現象です。中にはアピールする層もいますが、あえてアピールする意味を考えると、少数派=特別=かっこいいという中二病じみた勘違いをした暫定 LGBT、悪い言い方をすれば“なんちゃってレズ”くらいでは。

元サイトで指摘されているように、セクシャリティに関わらず女性は誰かをかわいいと誉めやすい傾向にあります。元サイトでは単にかわいいのではなくガチめに…というような言い方をされていますが、その線引きって誰がするんでしょうね? 明確なものがない以上、対話相手が自身の印象や考え方をもとにした基準で判断せざるを得ません。もともとそれっぽいなーと思われていたらそう聞こえるはず。

印象だの何だのと揺らぎやすいものを基準にするだなんて、なんとも不平等でお粗末な特徴です。ノンケがこのせいで LGBT だと勘違いされたらブチ切れるんじゃないでしょうか。

レズビアンは片耳にだけピアスをしている?

こちらは私と同じくレズビアン当事者であるらしい方が特徴として挙げていたのですが、笑ってしまいました。いつの時代の特徴でしょうか?(笑)

私が産まれる前のことは知りませんが、おしゃれとしてピアスが確立してどれくらい経っているのか。今日び LGBT アピールとして片耳ピアスだなんてしている人がいるなら教えてほしいくらいです。一目で分かって便利じゃないですか。

実は私もピアスは左耳だけなのですが、右耳のピアスホールのひとつは裂け、もうひとつはふさがったためです。残念ながら全く意図的ではなく不可抗力でした。

レズビアンは見分けられるのか

私は18歳を過ぎてから、いろいろな女性と知り合いました。年齢も出身地も居住地も職業も本当にいろいろです。女性とデートすることで生計を立てていたクズすぎる時代もあったので、はっきり言って47都道府県制覇まであと一歩です。

それでも、誰がレズビアンで誰がノンケだなんて見分けられません。

一見して分かる LGBT の特徴が仮にあるのだとすれば、そもそもビアンバーやクラブイベントなんて必要ないわけです。その辺を歩けばサクッと出会えちゃうはず。なぜそういった出会いの場が存在し繁盛するのかといえば、見分けられるような特徴はなく、その場にいることこそが見分ける方法だからです。

今回の記事を書くにあって多くのサイトを調べ、これまで「多分そうなんだろうな~」程度だった世間がもつレズビアンに対する固定観念を実際に目の当たりにし、正直いって閉口を通り越して爆笑の嵐でした。仕方のないことなんですけどね。

嗜好は目に見えないものです。ガワに表れるものなどありません。目に見えないものがガワに表れるとすれば、テロリストだって一目で判別できてそりゃあ平和な世界になるでしょう。

基本的には笑って、ネタとしてこの記事を書いたわけですが、LGBT 当事者を謳う方がこのような嘘八百を並べているのにはさすがに呆れてしまいました。いろいろなものを見てきたつもりでしたが、まだ私の知らない“ノンケが考えやすいバリバリのステレオタイプなLGBT”も存在するらしいです。私もまだまだ修行が足りませんね。

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