NetowlのWPblogからmixhostにサーバを移行しSSL化する手順

WordPress

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「8beat Studio」は独自ドメインで運営こそしていたものの、サーバは Netowl 社の無料サーバでした。

  • とにかくアウトプットの場が欲しかった
  • 無料でどこまでやれるのか気になった
  • Netowl の WPblog サービスで WordPress サイトの運営自体は困らない

以上が理由。事実、WordPress のテーマやプラグインは好きなだけインストールもカスタマイズもできる上、WordPress に特化したサービスであるためサーバ側で独自最適化も行ってくれていたと思います。「STINGER8」の子テーマを制作し配布したのも、この無料サーバで行いました。

ではなぜ有料サーバ「mixhost」に移転したかというと、WPblog ではあまり詳しくないユーザを思いやってか、テーマやプラグイン、メディアファイルが格納されているwp-content以下しか操作することができなかったためです。

WordPress は高機能なぶん重くなりやすく、高速化に伴うキャッシュプラグインの導入などが話題にのぼりやすいのは周知の事実。WPblog においては前述のとおり内部で最適化してくれているためかキャッシュプラグインの利用は非推奨で、むしろインストールしてしまうと 500 エラーを吐きます。

私の場合は高速化云々というより、サーバの初期ドメインから独自ドメイン運用としたときに.htaccessに触れないために301リダイレクトが設定できない、などが個人的なストレスでした。無理やりやってましたが。

そこで記事数は少ないなりに設立1年を目前に、ついでに SSL 化もデフォルトで可能な mixhost に白羽の矢を立てたわけです。

  • プラグインを使わない
  • 最低限の手間で済む
  • サーバ環境をほぼ問わない

今回は上記のような WordPress 移行手順と SSL 化についてまとめておきます。

WordPress のサーバ移行に関する誤解

サーバ移行についてググってみると多数のページがヒットしますが、口を揃えて言われていることがありますね。

WordPress の全ファイルをダウンロードしろ! BackWPup イイ! All-in-One WP Migration もイイ!

サーバによってはそういったプラグインが使えないこともあるわけで…では FTP ソフトを使おうともwp-contentしか接続できない WPblog は移行できないのかというと、答えはNOです。

必要なのはそのwp-contentとデータベースファイルで、他はなくても構わないのです。

必要最低限で行う WordPress のサーバ移転手順

旧サーバからバックアップ

前述のとおり、必要なのはwp-contentのみ。下記のディレクトリをローカルにダウンロードしておきます。

  • plugins:インストールしているプラグイン
  • themes:インストールしているテーマファイル
  • uploads:アップロードした添付ファイル

Netowl 管理ページからデータベースファイル(圧縮なし SQL ファイル)もエクスポートし、ローカルにダウンロードします。

Netowl:アプリケーション設定ページ

移行先サーバ(mixhost)に WordPress をインストール

独自ドメインで運営している場合、mixhost マイページから「cPanel」にログインし、「アドオン ドメイン」よりドメイン登録をしておく必要があります。

mixhost:cPanel

このサイトのドメインは8beat-studio.netなのでそのまま入力。「サブドメイン」と「ドキュメントルート」欄は自動的に入力され、特に変更する必要はありません。

mixhost:アドオン ドメインの作成

また、FTP アカウントについては mixhost でサーバをレンタルした時点でひとつ割り当てられているので作成しませんでした。自分で設定したい場合はユーザ名やパスワードを入力し、忘れないようにメモするなり FTP ソフトにさっさと登録しておくなりしましょう。

cPanel には簡単インストール機能があるので、より手間を省くため「Softaculous Apps Installer」から WordPress をインストールしてしまいます。「Install Now」のボタンをクリックすると、必要事項の入力欄が表示されます。

ソフトウェアセットアップ

mixhost:WordPress インストール①
プロトコル
もともとhttp://で運営していたのであれば、移行後 SSL 化するとしてもhttp://にしておいてください。
ドメインの選択
独自ドメインで続けていくのであれば登録した独自ドメインを選択します。独自ドメインを使わずレンタルサーバの初期ドメインを使う場合はその他(mixh.jpなどが末尾か?)を。
ディレクトリ
どこにインストールするかを記入します。このサイトのように8beat-studio.netをブラウザで開いたとき WordPress のトップページが表示されるようにするには、通常は空欄。8beat-studio.net/wp/を開いたときトップページが表示されるようにするには、ディレクトリ名であるwpを入力します。

サイト設定

あとで変更できるのと、サーバ移行の場合はバックアップファイルで上書きすることになるのでそのままで構いません。

管理者アカウント

mxhost:WordPress インストール②

WordPress のダッシュボードにログインする際に使うものです。セキュリティの観点から、ユーザネームはadmin以外を指定するようにしてください。

アドバンスドオプション

mixhost:WordPress インストール③

ここで重要なのは「テーブル・プレフィックス」です。Netowl の WPblog はwp_がおそらくデフォルト(私の移行前サーバではそうなっていました)。

記入欄で気をつけるべき個所はここまで。その他、必要なところも記入し終わったらインストールします。

データの移行

バックアップしておいたファイルを FTP ソフトでアップロードしていきます。FTP 情報は mixhost からのメールを参照するか、WordPress インストールの際に FTP アカウントを新規作成しているなら恐らくそのアカウントでも接続できるはず。

public_htmlがいわゆる公開用のディレクトリにあたります。さらにその中、登録したドメイン名のディレクトリに WordPress のファイル群があるか確認します。

wp-contentsを見つけたら、pluginsthemesuploadsの 3 つのディレクトリを上書きアップロードします。

mixhost:phpMyAdmin

続いて、phpMyAdmin からデータベースをインポートします。

mixhost:phpMyAdmin でインポート

左サイドバーでデータベースを選択したら、バックアップしていた.sqlファイルを「インポート」タブからアップロードします。

hosts で確認

正常にデータ移行ができているかを確認するため、まずは共有 IP を調べます。

mixhost:cPanel から共有 IP アドレスを確認

「共有 IP アドレス」欄の IP アドレスをコピーし、mixhost ヘルプセンターの手順にのっとり設定を行います。

この設定により、ネームサーバ変更前ですがブラウザから独自ドメインで mixhost にインストールした WordPress の状態を確認することができます。

もし 404 エラーが出ていたらダッシュボードにログインし、パーマリンク設定を開き何も変更せず保存することで問題を解消できます。

確認が済んだら、hosts ファイルに追記した共有 IP アドレスやドメインは削除して元に戻し、上書き保存します。

ネームサーバ(DNS)の変更と SSL 化

独自ドメインの管理会社側でネームサーバを変更します。mixhost ヘルプセンターのページを参照してください。ムームードメインと VALUE-DOMAIN の変更方法が記載されています。

ネームサーバを変更したら SSL 化に目が向きますが、即時行うのはおすすめできません。SSL 化には「SSL 証明書」が必要になり、mixhost はドメイン認証型なのでネームサーバ変更後に証明書が発行される仕様です。

ネームサーバの変更とは、要は「ドメイン8beat-studio.netはこのサーバの住所やで~」と届け出るようなイメージ。インターネットの世界は非常に広いわけで、それが周知の事実になるまでには時間がかかります。これを「浸透」といいます。

自分の PC やスマホから独自ドメインにアクセスして移行後の WordPress につながるようになっても、他の回線ではまだ旧サイトを参照しているかもしれません。ネームサーバ(DNS)の浸透待ちというわけです。だいたい1~3日かかると言われていますね。このあいだ、移行前の旧 WordPress を削除するとアクセス不能になることがあります。

先にネームサーバを変更してしまえば証明書の発行は早まりますが、移行中の様子を大々的に公開したい人はいないでしょうし、おそらくこの手順がベターです。浸透待ちのあいだは SSL エラーとなる可能性があるため、しばらく間をおいて SSL 化するのが望ましいと思います。

ひとまず自分の環境で DNS が浸透したか確認するため、移行先(mixhost)の WordPress になにかしらの目印をつけておくと分かりやすいです。私の場合はサブディスクリプション末尾に「*」をつけておきました(まだついてますね)。

http://https://に変えてアクセスしたとき、問題なく WordPress が表示されれば SSL の設定が完了した合図です。例によって mixhost ヘルプセンターの記述にそって SSL 化していきます。

余談ですが、横着して SSL 化したら証明書がなかなか発行されず、SSL エラーが出るトラブルがありました。

mixhost の SSL 証明書は COMODO から発行されるのですが、mixhost のメールサポートに問い合わせたところ、ドメイン直下にアクセスできず更新時のドメイン認証が通らなかった可能性があるとのこと。WordPress をインストールしているディレクトリのパーミッションを外部からの実行と読み取りを許可する755に変更し、数時間後には発行されました。

SSL 化にともなう Google 関連の変更

内部リンクの変更や 301 リダイレクトの設定などが済んだら、URL が変更になったのと同義なので Google Analytics と Search Console の変更も必要になってきます。


このような道のりを経て、めでたく 8beat Studio はサーバ移行と 常時 SSL 化しました。デザインばかりでサーバサイドのことってそこまでやらないので、いい経験に…なってたらいいな。

HTTPS化に伴いブログのURLも「http://8beat-studio.net/」から「https://8beat-studio.net/」に変更されたので、もし当ブログをブラウザのお気に入りやブックマーク、RSS などに登録してくださっている方はお手数ですが変更していただければと思います。

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